三方六

暴風雪

3月に入って天候が目まぐるしく変わる。暴風雪となると、わが家も吹きだまりで2日間は孤立状態となる。まぁ、数年に一度や百年に一度の「気象変化」には慣れてしまった感がある。慣れてはいけないのは社会の異常変化。

 嵐の後は、いつもの平和な風景。 冷えこむ程に、足元がしっかり固まり、泥汚れもなく屋外の作業が楽になる。f:id:solachi:20160304071156j:plain

 

三方六

 ヨコ爺が出張土産を持って来てくれた。北海道では有名な「三方六」というバームクーヘン、上品な甘さで三浦綾子も絶讃の名菓だ。ところで、三方六って何か意味があるのですか?f:id:solachi:20160227175228j:plain

そこは、もの知り博士のヨコ爺、開拓時代からひもといてくれた。

 三方六とは薪の寸法を表す。断面の3辺が、それぞれ6寸(18cm)あるのが標準的な薪の太さだ(ここまでは菓子の説明書にも書いてある)。この薪は、長さを2尺(60㎝)とし、または丸太のまま積み重ねて、高さ5尺(150cm)、巾6尺(180cm)積み重ねると「1式」の体積となる。ひと冬8敷~15敷程度が一家族の消費量である。「式」は「敷」とも書く(solachi注)。(薪の量は富良野市郷土研究会発行「ふらの博物誌」2014.にも倉橋昭夫さんが書かれている。)

 以上によると、薪1敷は1.62㎥で、ひと冬13~24㎥を開拓時代に消費していたことになる。わが家では、ここ3冬の経験から、1シーズン14㎥でほぼ同量である。しかし、わが家は石油ボイラーも併用しているし、炊事(HI)や風呂用(石油)を除くと、昔より消費量はかなり多いとも言える。家屋の断熱性能は格段に改善されているのに何故か?理由として考えられるのは・・・

1.樹種の違い:わが家はカラ松、白樺、ヤナギなどで、薪材としては低品質

2.暖房範囲と室温:開拓時代は壁や屋根から屋外が見えていたという。室内全体を暖めると言うより、火の周りだけが暖かかったそうだ。←辛抱できまへん。これに対し、わが家は、床下を含む家屋全体を暖めている。室温は、昼間24~26度をキープ、夜間や早朝でも20度~16度を下まわることがない。どこに居てもポカポカだす。

 贅沢なことに違いないが、現在の薪山はこんな感じで、来シーズに備えている。長さ45㎝の薪を2列(90㎝)で、高さ150㎝に積みあげながら横に並べていく。薪山の長さが12メートル以上になればひと安心だ。

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 三方六に戻るが、うちの薪の太さはこんな感じ。太めの薪で16センチ程度、多いのは12センチくらいで、小さい方が扱いが楽である。長さを45cmセンチとしたのは、ミニコンテナに詰めて、室内に運びこむためである。薪ストーブは60センチまで入るので、たまに長い薪も混じっていたりする。

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 ところで、三方六は薪のサイズと言うことだが、ネットで調べると、薪の割り方だとしている方もある。太い玉を先ず3分割して(120°)、さらにそれぞれを2分割して6片とする割り方が、太い丸太をいきなり半切するよりはるかに楽だという。 なるほどネ。また、薪の単位にも「束」「棚」「敷」など色々あるが、その定義は諸説あるようだ。薪の消費量も色々で、これは地域環境や家屋性能などで違って当然だかも知れない。

三方六とは・・・? - ウィキペディアなどで「三方六寸に切られた薪」... - Yahoo!知恵袋 ●三方六: 斧マニア ● よくある質問 - 薪ストーブと薪(まき)の情報サイト ●「薪炭一敷」の寸法を知りたい。薪炭とは薪の燃料であり、「敷」とは体積を計る単位。丸太を約60cmの長... | レファレンス協同データベース ●入植以来の燃料とストーブの推移

 

追記 2016/03/12 

 ヨコ爺に再度、薪の単位について話しを聞くことができたので、追記しておく。上記の如く長さ2尺、太さ三方六の薪を、巾6尺(1間)高さも6尺に積みあげたものを1式とする(5尺という説もある)。高さ6尺と言えば180cm、ちっょと高すぎないかと思ったが、手を伸ばせば届くし、冬は雪が積もるのでちょうど良いそうだ。この薪は山子(木こり)さんが小遣い稼ぎに、造材で出た端材等を山中で薪にし、「はしご」とよばれる長さ12尺(2間)の橇(棒材2本の両端を桁でボルト止めにしたもの)に、薪を高さ3尺(90cm)に積み上げ、ワイヤー等で締めあげたものとし、これを1式と呼んだ。タマと呼ばれる連結器を馬橇に繋いで運搬した。演習林事務所に納めたり、市中で販売したそうだ。山子さんは1式作るのに1日かかったそうだ。私が地主さんから貸してもらっている5kgの斧より、はるかに重い鉞を使っていたそうだ。さぞかし重労働だったと思う。価格は?覚えていない。1式は約2㎥弱なので、今の薪の値段なら1~3万円くらいかな。その後、燃料は薪から粉炭(塊炭の屑)、石油、電気へと急速に移り変わった。

 

今冬はSkiing

嵐の後は天気になる。それっ!出かけろ。 

還暦過ぎて始めるSkiingも、BGM付だと軽快に見えるなぁ。 

 それにしても、畑で尻餅ついていたケロミが、1シーズンでこうなるとは!

富良野は修学旅行で、はじめてスキーする高校生が多いためか、知りあいにインストラクターも大勢おられる。ケロミも3人の師匠に個人レッスンを受け、上手くならなきゃ申し訳ない。