煙突だけに今日の記事は長い
逆に日は短くなり、北海道の夏も終わりが近づいた。こないだ、しまったばかりジャケットを、もう引っぱりだしてきた。今年は、薪の準備もほぼ完了、約2年分のストックができた。
そこで、二冬使った薪ストーブだが、煙突掃除をすることにした。
実は、初めての煙突掃除とストーブメンテナンスは専門店に頼むと決めていたが、約束の5月を過ぎてもなしのつぶて。速くもストーブが恋しくなってきたので、意を決して高所作業に挑戦した。(この記事を書いているときにたまたま連絡があったが、丁寧にお断りした。先方も涼しくなったので、そろそろだと思ったのだろう)
煙突内の点検
煙突は断熱二重、内径150mm、パーツごとにロッキングバンドで止めてある。ストーブの直上はスライド式になっており、簡単に取りはずせる。
ストーブ直上の内面を指で擦ると、煤の附着は1mm程度、簡単に拭いとることができる。この程度なら、あと二~三年は掃除しなくても良いかも知れない。
しかし、問題は煙突の上部まで、この状態かどうかは分からない。とくに煙突トップ部分は温度が低く、煤やタールが付着しやすかったり、夏場は鳥の巣などの異物で塞がることがあると聞いた。また、焚きつけに紙やダンボールを使うので、一度点検してみる必要がある。
煙突掃除ブラシの検討
ブラシキットはネットで色々な種類が販売されている。ブラシの材質は、軟らかめのポリプロピレン製と硬いワイヤー製。
私の性格では勿論、硬いワイヤーブラシで「ゴシゴシやったろか」となる。
先ずは取りはずし可能な、ストーブ直上部分で試してみたら。
なっなぬぅぅぅ(^_^;! ブラシが抜けなくなった(。>_<。)
煙突内径150mm、ブラシ直径152mmでちょうど良いと思ったのだが、
ブラシの一本々のワイヤーが強力過ぎて、密集したワイヤーが煙突の管内で、同じ方向にたわみ、ぴったり密着したら、人力では元にもどせないのである。押し進めることはかろうじてでき一方通行なのである。ゴシゴシなんてできない。それに、7m近い煙突内をグラスファフイバー製のクニャクナャ棒で、最後まで押し出せるか心配だ。しかも高所作業となると、力が出せるか自信がない。
急遽手製ブラシを成作
付属のブラシ棒の先端に3mmの穴を空ける。
角材に、ブラシ棒と同じ太さ(15mm)の縦穴を空け、先ほどの3mmの穴に合わせて横穴も空ける。
ブラシ棒と角材を3mmビスで固定する。
固定した角材にスポンジとウエスを巻きつけて、両端がすっぽ抜けないようにキャンディー状に結んだら、手製ブラシの出来上がり。太さかげんだけ何度かやり直せば、割りと簡単に作製できた。
このウエスブラシで煙突内をゴシゴシ擦ると、ステンレス製二重煙突はピカピカになった。(ピカピカになるのは温度の低い煙突上部のみ、ストーブに近い煙突下部は、焼けてキツネ色となっていた)
ワイヤーブラシ本体は、高価なので使わないと勿体ない。ブラシ先端の輪っかにロープをくくりつけて引っり上げることにした。
屋根への登頂
急角度の屋根に登れるか? 業者に依頼しようとしたのは、これが一番の不安材料だったからである。
用意したのが、安全帯(登山用シットハーネス)とカラビナ。
カラビナしか写っていません。
登山用-登高器(アッセンダー)右用・左用と作業用ロープ
ロープはクライミング用は伸びるため、屋根程度の高さでは使用不可、伸縮性の少ない作業用ロープを使用しなければならない。(登山用品店の店員曰く、滑落したとき、高低差が少ないと、ロープが伸びて地面に接触してしまうためである。作業用または貨物用ロープは伸縮性が少なく造られている。一方、クライミング用ロープは、滑落時、伸びて荷重を分散させ、骨折や圧迫などののショックを和らげる)
左右のアッセンダーをロープにセットしたところ
アッセンダーにスリングロープを通して、ハーネスのカラビナと連結する。体重をかけるとアッセンダーのツメでロックされ、手を放しても外れることは無い。上方へは抵抗なく進めることが出来る。
登高器の予備知識はネットで調べていたが、実際の使用は初めて。娘を飛行場へ送ったついでに、旭川の登山用品店を訪ねたら、経験者か講習を受けた者にしか販売できないと言う。なら、講習してもらおうと小一時間、根ほり葉ほり、感動を交えながら教えてもらったら、「自己責任ですよ」とやっと販売してくれた。
作業用ロープは、屋根の反対側から、ケロミ軽四に固定。もし滑落したら、ケロミにゆっくり前進してもらい、地上に降ろしてもらうつもり。だが、ケロミは理解していないのが怖い。恐らく、慌てて後進し、引っぱり上げ、行き過ぎて屋根の反対側から転げ落ちるかも知れない。
ドローン登場
ロープを屋根の反対側に渡すのに、砂袋に道糸を付けて投げたが、屋根の半分にも届かなかった。
そこで、ドローンに道糸を運ばせ、難なく解決。趣味が実用に供した最初かも知れない。Tokuちゃんも新型ドローンを手に入れたとか、頑張ってください。
いざ、登頂!
などと、意気込むことは無かった。
ロープ一本の偉力は凄い。足が震えるかと思ったが、全く恐怖感なく、安定して煙突部まで登ることができた。これなら、木登り、枝払いにも使えるかも。ディセンダー(下降器)も欲しくなった。
煙突トップ
ここもロッキングバンド固定、ワンタッチで取りはずせる。
トップの内面は、やはり室内よりはるかに煤が溜まっていた。
鳥の巣などの異物は無く、手かきブラシで清掃した。
煙突最上部の状態も、鱗片状のススがこびり付いていたが、まだ2シーズンはもつかも知れない。
ダンボールなどを焚きつけにしたり、カラ松を焚いて低温持続燃焼させている割には、綺麗な方かも知れない。
室内の仕舞
室内に戻って、取りはずした煙突の下端を肥料袋で塞ぐ。
その前に、もう一度屋根に登って、ロープを煙突内に垂らし、室内でロープとワイヤーブラシを結索、ワイヤーブラシを煙突に突っこんでおく。上がったり降りたりと、ひとりでやるしかない。
やっと本体の掃除にとりかかる
先ずはワイヤブラシをロープで引きあげる。(煙突上部に立って撮影)
さすが、ワイヤーブラシ、鱗片状のススが掻きあげられて来ると共に、室内の袋に大量の煤が落ちた。
一回通してこの状態。これだけで十分かも知れない。
せっかくの手製ウエスブラシ。ブラシ棒を継ぎ足しながらゴシゴシ、煙突全長をピカピカにした。さすがのケロミもこの時ばかりは見守っていてくれた。
後片付けが終わると、すっかり暗くなっていた。
今日も、安全が守られて感謝致します。
かかった費用
煙突ブラシセット(Rutland): 15,120円
クライミングハーネス:7,128円
作業用ロープ40m:14,480円
アッセンダー:4,490円×2
カラビナ:1,123円
スリングロープ:140円×2
合計47,111円
業者に頼んだ場合、3万+交通費(ストーブメンテナンス含む)