今シーズン最終の体験農園は静岡県からの高校生、心配された天候も、午前中はまずまず。
この時期、農家さんは収穫も終わり、今は出荷作業(ラベル貼りや箱詰め)が多い。のんきなsolachi農園では、まだまだ仕事が残っている。今回の種目?は、遅れている小豆の脱穀作業。私たちも、唐箕(トウミ)を試したばかりだし、慣れない作業のうえ、90分の短時間体験で、どこまで体験してもらえるか不安だった。前日、タイムスケジュールをケロミとあ~じゃ、こうじゃと頭を捻ったすえ、各作業10分程度でこなさなければ終わらない。
結果は
トン袋の足踏み脱穀
前回ケロミが試した、トン袋に莢を詰めて足踏み。2人一組で猛ダッシュ2分間を交替で全員に。
手開きと木槌での脱穀
他の作業を待っている間、莢を手で開き豆の状態や個体差を観察する共に、どの様な脱穀方法が効率的か、考える。空きビンや、木槌なども使ってみる。
唐棹(殻棹、クルリ棒)脱穀
昔ながらの唐棹(からさお)だ。ひとりずつ唐棹がスムーズに回るまでやってみる。
唐棹は地主さんから頂いたもの、慣れないと難しい。皆さん棹の中間あたりを持ってしまう、実演しながら全員に体験してもらったので、これが一番てこずった。
ブルーシートの下には、クッションとしてムシロと麻布(マフ)を敷いてある。特大のマフは入手困難、あっても高価だが、これも離農された農家さんから頂いた貴重なもの。いわゆるドンゴロスを縫い繋げたもの、破れた箇所が全て繕われているので、大切に使われていたのだろう。
篩にかけて唐箕
篩(フルイ)の写真がないが、脱穀できた量は「足踏み」が一番多く、続いて「手開き」、「唐棹」の順であった。
作業の終盤は、全員で唐箕(トウミ)がけ。工業高校だったので、風選の原理と中の構造を説明し、交替で羽根を回してもらった。量が少なかったので4人で終わってしまった。回せなかった生徒が残念がっていたが、時間がないので仕方がなかった。
ここまで約60分、なんとスケジュールどおりだった。やはりみんなでやると早い。短時間だったので5㎏弱の収穫だった。このうち、それぞれ一袋(300g弱×10人)をお土産でお持ち帰り。
時間がないので、以上を同時進行することにした。(早回しじゃないですよ)
最後は、焼き餅入りぜんざいの試食実習。これは、前日から作っていたsolachiのお手製ぜんざいだ。甘さひかえめで、小豆の味がしっかり分かるように作ったぞ。
実は、これがメインの体験実習といって良いかも知れない。豆粒の大小や色の違いがなぜあるか。虫喰いがある事が、安全と美味さの証拠だなどと説明を聞きながら、運動後のスイーツは、甘い甘い農業体験となったと思う。
トラクターにも興味津々、「おいおいボンネットにキズを付けるなよ」。お迎えのバスを待たせてしまい、あわただしい一日だった。
今シーズンの体験農園を終えて
農業体験をお手伝も2年目となり、今年も無事に終えることができた?、と思う。
学外実習や修学旅行のイベントとして、中学、高校、大学の農業体験実習が北海道では、広く行われている。「農業女子」や「酪農女子」の言葉もトレンドとなり、近くドラマにもなる。北海道が憧れの地である事は、もう少し続きそうであるが、ネット上を調べると良い評判ばかりではない。
学校側の目的や各地域の受入地域団体の意義付、また、それぞれの思惑、子供を送り出す親御さんの思いなど、いろいろご意見があるようだ。
現場の率直な思いとして、「こんなに現場任せのイベントで良いのだろうか」と心配にもなる。
生徒さん達が、喜んだり、驚いたり、最後に手を振ってくれると、何やら嬉しくなり、こちらも満足してしまう。しかし、いつも成功するとは限らない。
大規模な行事では、アクシデントやインシデントは付き物。ゼロにすることは不可能だが、不幸を最小限に抑えるためにも、問題点の洗いだしと、幅広い意見交換が必要だろう。そのためにも、基礎資料として、生徒さん達の意見と受け入れ側の記録を照らしあわせたデーターを取り纏める必要を感じる。