驚きの国宝「旧閑谷学校 講堂」を訪れる-江戸のダビンチ津田永忠の新技術-

お久しぶりです。

岡山に転居して、お初の風景をお届けします。

怒涛のリフォーム工事も一段落し、ポカポカ陽気に誘われ、近場のドライブです。

 

閑谷学校(しずたに)の「椿の花」が見頃だと聞いて行ったのですが、桜が満開でした。

国宝「講堂」

何の前知識もなく、椿の花を見に行ったのですが、中に入ってビックリの施設でした。

 「靴を脱いでお上がりください」とあったので、厚かましく上がらせてもらいました。

はて、何の建物だろう? 来場者は、私たち二人だけ、インバウンドも皆無。

  以下、( )内は後で事実が判明したものです

ケロミ:パンフレットを見ながら「国宝の講堂だって」

ソラチ:「フーーン、国宝のわけないやろ。国宝やったら入れる訳ないもん」

ケロミ:「どうせ再建されたもんでしょ」(いえいえ、寛文十年(1670年)に建てられ、日本に現存する最古の校舎です。現在もここで講義が行われています。しかも、正真正銘の国宝です)

ソラチ:「それにしても立派な柱だな」(柱は一本の大木を四割りにし丸太に加工されている。いわゆる「芯去り材」だから、ログハウスなどによく見られるような割れや捻れが生じない。合計10本の柱があるが、原木としては2本半の大木から造材されている)

ケロミ:「床もピッカピカだね、手入れも大変ね」(床が光っているのは、手入れが行きとどいているのではなく、瓦屋根の固定に土を用いない独特の工法によって、350年間たまに乾拭きするだけ。天井から砂ホコリが落ちないのでキズがつかないためです)

ソラチ:「このフローリング、良い材使っとるなぁ。オラのDIYに比べたらええ仕事しとるわ、敗けそうやわ」(今でも水平が保たれ、狂いが生じていない。基礎には粘り気のある有機物コンクリートが用いられている。そもそも、素人DIYと比べるものじゃない)

ケロミ:「見てみて、大きな梁だこと」

ソラチ:「げっげっ! こっ これは、再建じゃないかも?」

ケロミ:「もしかして、本当に国宝なの?」

ソラチ「ぉぉ!扉の蝶番が、こん棒やで。ちゃんと動くのかな?」

ケロミ「触ったらアカンのに、国宝やで!」

いやはや、ビックラポンでした。旧閑谷学校は、岡山藩池田光政が日本ではじめてとなる「庶民のための学校」として創建され、現在も「岡山県青少年教育センター 閑谷学校」として使用されています。

石塀

外に出ると、重要文化財の石塀が見られます。これまた手入れが行きとどいて、狂いが無く、雑草ひとつ生えていないのですが、それも画期的工法によるもの。

雑草が生えないのは、表石の中味のグリ石をすべて水洗いし、土や草の種を除去してあるからだそうです。

それでも、表面に入りこんだ砂の上には、しぶとく草が生えていました。

椿山

お目当ての椿の花ですが、もう見頃が過ぎていました。(椿山の奥には池田光政の「供養塚」があるそうです)

昨秋に落ちた、椿の実です。記念にお持ち帰り。

 

設計総監督者の津田永忠は、数々の新技術を取り入れて閑谷学校の校舎郡を建て、東洋のダビンチと唱われているそうです。宮大工の孫であるソラチも、今回は興味津々。(オイラも教育者の端くれとして、こんな校舎を建てたかったなぁ)再度訪れたい場所となりました。

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