一般家庭におけるポータブル発電機の備えとメンテナンス

 この度の胆振東部地震におきまして、安否確認のお問い合わせをたくんさんいただきました。ブログを更新していなかったので、ご心配をかけたかな? 他に別の思惑もあったかも知れませんが、残念ながら嫌われ者は元気にしております。

 いやいや、支援物資のお申し出など、日が経つほどに、ありがたいお心遣い、感謝に堪えません。早くブログ更新しないとと焦りまくりです。本当にありがとうございました。遅くなりましたが、大事なく過ごしておりますので、先ずはご報告いたします。

 台風で倒れたスイートコーン

 地震の前日に通過した台風21号、収穫中のスイートコーンがなぎ倒されました。2条しか植えてなかったので、うちの畑はとくに弱かったようです。

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 土についていなければ、数日はまだまだ成長すると思いますが、大きいものだけ収穫しました。

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 一部冷凍保存しますが、冷蔵庫に入りきりません。今回の地震で買い物もままならないようですので、ご近所の一人暮らしの皆さんにおすそ分けしました。いつもなら、自家消費と、農業体験の高校生たちに振る舞うのですが、 ある意味、good timingの倒伏だったかも知れません。

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 ボロボロのハウス、ん? 屋根が無いのは最初からですから、大した被害ではありません。

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非常時ポータプル発電機の備え

 ブラックアウトですね。ブラックアウト! 冬のホワイトアウトは聞いたことがありますが、ブラックアウトは今回が初めてです。145万キロワットが一気に消失。これだけ広大な地域、北海道-全道停電なんて・・・・、あまりにも弱かった北海道電力、そんな仕組み、おかしんとちゃうか?。今も富良野市で電力が回復しているのは、僻地と言われている我が地域だけです。病院や原発が優先されるべきですが、そうも行かないようです。安定的に電力供給するために、セコイなんとかと言う人が「ああせい、こうせい」と言うだけで、なんもできんから計画停電も検討しているようです。既に復旧している我が地域でも、再度停電するかも知れません。都市部では停電に伴う断水も大変ですが、なんと言っても病院の電力不足は深刻です。そちらに回せるなら、是非そうしてください。

 我が家では、湧き水を利用する組合水道を、自前でポンプアップしています。冬季のドカ雪やブリザードで、停電することがあったので、以前から発電機を用意していました。今回の地震による停電で、再び出番となりましたが、発電機の調子が良くありませんでした。長期間使わない機器は、ちょっとしたメンテで回復することがあるのでご紹介します。

 また、今回の全道停電ということから、我が家の非常時電源コンセントの仕組みもご紹介します。これから家を建てる方は、参考にしてみてください。(後付も可能です)

非常電源の引き込み

 発電機は100V25A程度の出力で十分です。単純には2500Wまで使えます。

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 ただし、25Aの取り出しは、通常の家庭用コンセントプラグとは形状が異なります。ホームセンターでも市販されているので、DIY可能です。

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 家屋への引き込みは、25A用コンセントプラグを外壁に引き出しておきます。ここから先は電気屋さんにお願いするしかありませんが、回路は簡単です。ただ、このような設備を設置するのは、稀なようで、電気設備やさんに理解してもらうのに一苦労しました。電気屋さんは普通の15Aプラグしか付けてくれなかったので、25Aプラグは後付のDIYです。屋内配線は、十分な容量(発電機の出力以上)が必要ですので、適切な太さのケーブルを使って下さい。

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 屋内の分電盤には、各部屋や区画に合わせて、いくつかの分枝ブレーカー(子ブレーカー)と呼ばれる遮断器(サーキットブレーカー)が並んでいます。このうち、非常時に最小限使用する区画(部屋)の分枝ブレーカーを一つ選びます。多くの電力を消費する区画は、発電機の容量を超えるので避けたほうが良いです。私の場合、切り替えが邪魔くさい、テレビのブースター水道ポンプの電源が含まれている浴室の区画を選びました。

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 すべての分枝ブレーカーには、電力会社からの電源が、主幹ブレーカー(漏電ブレーカー)と接続されています。先に選択した分枝ブレーカーの中枢側も当然に主幹ブレーカーに接続されています。末梢側は、各区画に屋内配線ケーブルが出て行きます。そこで、選択したブレーカーの末梢側配線ケーブルを一旦「電源切替開閉器」に導いてから、元の区画に配線します。

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 さて、外壁から引き込まれた、非常用電源の電気コード(発電機からの電線)を、この「電源切替開閉器」の片方に導きます。すなわち選ばれた区画は、電力会社からの電力か、発電機からの電力かのどちらかが切り替えられることになります。重要なのは、電力会社の電源と発電機の電源を絶対にバッティングさせないことです。

 しかし、これだけでは、発電機から供給される区画や機器が、極端に制限されることになります。そこで、発電機から「電源切替開閉器」までの間で、その電線をあらかじめ分枝させ、非常時に最低限必要な箇所に発電機コンセントを設けておきます。我が家の場合、冷蔵庫の横に一つ、インターネット機器の横に一つ、ボイラーの横に一つ、計3つのコンセントを通常コンセントの横に設置しました。

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 停電時には、それぞれの電機機器のプラグを発電機コンセント差し替えるだけです。また、これらのコンセントから延長コードを引っ張って、炊飯器やコーヒーメーカー、テレビや電気スタンドにつなげれば、普段と変わらない優雅な生活ができます。勿論、電力消費量は限られています。要はタコ足配線になっていますし、ブレーカーを経由していないけど大丈夫かと心配になりますよね。しかし、電気を使いすぎると、発電機の安全装置が働いて、自動的に発電機がストップするはずです。今回、冷蔵庫、テレビ、炊飯器、水道ポンプ、インターネットの同時使用までは問題なかったです。 あっ!私専門家でないので、自己責任でお願いします。電気の使い過ぎは、電線や電気器具から出火する可能性があります。

(心配なら、屋外で発電機がストップするまで、電気を使ってみて下さい。2500wはなかなかオーバーしませんでしたが、後に出てくる900wの発電機は、簡単にストップさせる事ができました。)

発電機のメンテナンス

 停電は3年ぶりでしょうか。発電機なんて、そんなに使うことはありません。2年前のガソリンがそのままでした。取説には、長期保管の場合、必ず燃料を抜くように書いてありますが、今回だって、いつまた停電になるか分からない。ほとぼりが冷めるまでと思っていたら、いつのまにか3年が経っていました。始動は汗みどろで、なんとかできましたが、出力が安定しません。それからチョークレバーを元に戻すと、エンストします。へてから、そんでもって、エコノミー運転(自動出力調整)に切り替えると、いつの間にかエンストしていましたっす。など々・・色々な症状が出てきました。キャブレター内の詰まりやガバナーの調子が悪いのかとあちこちチェックしたが、やはり、原因は古いガソリンでした

 先程の優雅な生活の影には、汗みどろの上に成り立っているのであります。奥様は知るよしもありません。

 燃料を全量抜き取る!。どケチな私には、なかなか勇気が要ることでした。ガソリンタンクから、完全に燃料を抜き取るには、この発電機の場合、重いのでひっくり返す訳にはいきません。先ず、燃料コックの下の沈殿キャップを取り外します。

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 コックを開くと、燃料が出てきます。写真のガソリンは新品なので、きれいな赤色ですが、3年前のガソリンは茶色でした。

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 タンクの底には凹凸があるので、器械を縦横に斜めにすることによって、タンク内のガソリンを完全に抜くことができます。

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 次にキャブレターの下のネジを緩めると、数ミリリットルほどの配管内の燃料を抜くことができます。新しい燃料なら、再びエンジンをかけて、自然にエンストするまで待つ方がガソリンをこぼすことがなく安全かも知れません。数分でエンストします。

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 こちらは、揚水ポンプと水道管凍結防止ヒーター用の発電機。家屋から離れたところに機器が設置されているので、冬季の停電を乗り切ろうと思うと、どうしても3台の発電機が必要です。こちらは9A(900W)、通常のコンセント一つ分弱ですね。

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 メンテナンスは、上記とほぼ同様です。この発電機も古いガソリンを使うとエンストしやすくなります。 器械そのものが軽いので、持ち上げてひっくり返し、給油口から直接燃料を排出しました。キャブレターはカバーを外すと見えます。燃料排出用のチューブがついていましたが、キャブレター内の燃料しか排出できません。

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 停電が終わったら、忘れずに燃料を抜いて、新しいうちに、自動車などに使いましょう。

おしまい。

9月8日追加

 この度の停電で、発電機を室内で使用し、一酸化炭素中毒死が2件発生したとの事。車の排気ガスと同じなので、室内で運転するのは、とても危険です。しかし、本記事の様に、屋外で運転したとしても、部屋の直ぐ近くであれば、排気ガスが室内に侵入する事があります。特に換気扇を回すと、家の換気用インテークや窓の隙間から排気ガスが入ってくる事があるので、十分気をつけ下さい。

9月9日追加 燃料の備蓄

 計画停電を回避するために、明日から昼間の節電要請経産省からでています。 我が家などなんの足しにもなりませんが、再度、発電機の出番になりそうです。経産省のホームページで、営業中のガソリンスタンド⛽️が掲載されていますが、我が地区のSSは営業してない様です。物流も相当影響を受けているみたいです。

 幸い、地震の前日、台風被害に備えてガソリンを補充したところでした。ん?ガソリンを個人で許可なく備蓄するのは違法では?‼️ 。自治体の条例によりますが、個人備蓄は、消防法の指定数量の1/5まで、すなわち40リットル未満ですと、届出や許可は必要ありまでん。20リットル携行缶、2つ分です。後は車両等に保管すれば、相当量保管できる事になります。我が家では、スノーモービルや農業機器、乗用芝刈り機にも残量があるようにしています。

 

 

 

寒い!

 異常です。8月なのに最低気温13度、昼間の室温も18度しかありません。これ、冬場の室温より低いです。とうとう、ボイラーのスイッチを入れてしまいました。

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 十勝連峰の北、大雪山黒岳は今日、観測史上最も早く初冠雪を記録したとか。例年より42日早かったそうです。 春先、雪解けが早かった分、初雪も早いかも。冬仕度は早目にしよかな。

牽引ヒッチの自作(薪割り機)

 ほんとうに北海道の夏は終わってしまったのか? 昨夜の最低気温は13度、昼間も22度までしか上がりませんでした。8月なのにフリースを羽織っています。下手をすると、室温は冬場より低いです。こんなに寒い夏は、移住してから初めてです。

 クロイチゴの実は、はじめは赤いですが、熟すと黒くなります。

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 牽引ヒッチを自作

 薪割り機を移動するため、小型トラクターに取り付ける「牽引ヒッチ」を自作しました。Cチャンネル鋼材が余っていたので、毎度へたくそな溶接ですが、適当に組み立てました。

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 鋼材の厚みが3mm弱なので、強度が心配でしたが、組み合わせると意外とガッチリしました。

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 ヒッチボールとマウントだけは通販で購入しました。2,500円ほどでした。ヒッチボールだけだともっと安いのですが、ボールの取り付けシャフト径(ネジの直径)が19mmあります。19mmのドリルビットは数千円しますし、そもそも、そんな太いドリルビットが使える工具もないので、すべて鋼材の切断と溶接だけで作りました。

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 薪割り機を接続すると、こんな感じ。脱着はワンタッチです。これで、200キロ以上の薪割り機を、どこへでも移動できます。

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 それで、過日用意していたカラマツの丸太。今までは、丸太を短く切って、家の前まで運んでから、薪割りをしていましたが、今年は、薪割り機を山の上へ持っていって、現場で、玉切り、薪割り、コンテナ積みまで一気に作業ができました。

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薪作り完了

 重い薪割り機を、人力で動かすのは一苦労でしたが、どこへでも簡単に移動できるので、作業がはかどりました。今年は、コンテナ12基分、2.4立米✖12基=28立米の薪を作りました。一冬で8基ほど消費するので、充分です。

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 薪は2年乾燥させます。最初は屋根をつけずに、降雪時まで雨ざらしにします。風通しさえ良ければ、浸水と乾燥を繰り返したほうがより良く乾燥するとされています。私の場合、カラマツなので、表面の松脂を落とことを狙っています。効果はさだかでないので、今年は、薪割り後、直に屋根をかけたものと比べてみることにします。

 こちらは、昨年作り置きしていたもの。すでに、家の近くに移動して、スタンバイしています。

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畑の様子 2018-8月初旬

 先週から急に涼しくなりました。北海道の夏は、もう終わってしまったのかあ? そんなはずはないでしょう。全国各地が「命にかかわる危険な暑さ」が続いているというのに、夕方は一枚着込みたくなるなんて、このところの天候はどうかしています。

 富良野岳の残雪も、例年8月末か9月まで見られるのですが、今年は肉眼ではほとんど確認できません。

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 雪融けが早かったにもかかわらず、その後の、長雨、低温、日照不足、そして猛暑が10日ほど続いて、今度は寒くなりました。先週の集会では、どこの農家さんも、ハウス栽培以外は、大変厳しい状況だそうです。

 そんな中で、Solachiの畑も出来がよくありません。先ずは、越年物の収穫からです。

ニンニクの収穫

 昨年の秋に、高校生たちが植えてくれたニンニクです。春先は元気だったのですが、肥料不足だったのか、葉っぱがあまり成長しないままに、収穫時期を迎えてしまいました。動物の食害にもあっているようでした。枯れているのがニンニクです。雑草のほうが大きくて青々しています。

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 それでも。ミニコンテナ2個分の収穫がありました。

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 販売できるようなものも、3割くらいはありましたが、これは9月に植え付ける種にします。

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 ほとんど世話なしでも、夫婦二人では食べきれないかも知れません。毎日一切れずつ食べると、疲労回復、血液サラサラ、大腸がん予防などの効果があるとか。切ったりスリ潰したりしないで、まるまま加熱すると匂いも抑えられるとか。頑張って食べます。

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ヤマワサビの移植

 こちらは、いつでも収穫できるのですが・・・・。そうなると、収穫しないまま、放ったらかしで、どんどん大きくなる。畑を耕すのに邪魔にもなるぐらいです。ヤマワサビ君には、とっても失礼な話ですよね。それで、引っ越しすることに。

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 移植ゴテで、掘り返すとずいぶんと大きくなっていました。

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 猛暑の中、スコップで半分くらい掘ったところで、バテて来ました。根が深い

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 側に、重機があったので・・・、えーっい! ユンボで3掻きほどでした。

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 高畝を作って、植え替えました。

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 数日経たないうちに、猛暑の中でも、新しい芽が出て、こんなに成長します。驚くべき生命力です。(1回だけ短時間の雨がありました)

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スイートコーン

 

 定植後の長雨と強風で、発育不良ですが、雄花、雌花が揃いました。(茎が細い)

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 まだまだ、タワラは細いです。どこまで実が入るかなぁ。

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天売島

 北海道の小中学校も夏休みに入りました。これを待っていたかのように、気温が30度を超えるようになりました。今までが寒すぎです、大阪から来た私達にとっては、やっと夏らしくなって来たという感じです。

 低気圧がもたらした、大雨でおあずけになっていた、天売島(テウリ)&焼尻島(ヤギシリ)へ行ってきました。

 留萌からオロロン街道を通って羽幌港へ。

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 羽幌港の夕日

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 お目当てはこれ!↓  ではなくて。

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 もちろん、こちらです。↓

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 天売島は、海鳥の繁殖地として名高い。行ったときも、ちょうどウミネコの繁殖期で、道路上にも沢山のウミネコが休んでいました。レンタサイクルで邪魔をしてしまいました。

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 自転車を止めて、近くで営巣状況を観察できます。

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 島は一周、2時間半ほどで回ることができます。起伏があるので、ちょっと頑張らないといけません。アシスト自電車やバイクもありましたが、お腹を空かせるには、自分でこいだほうが良いです。

 赤岩は、「ウトウ」の繁殖地です。 

 ウトウは、昼間は海に出ていて、一泊して夜中に赤岩まで来ないと見ることができません。もう一つ、ウミガラスも見たかったのですが、断崖絶壁の彼方、どりがウミガラスが分かりませんでした。でも、こんなものもありました。↓

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 午後はフェリーで焼尻島へ

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 ヤギシリでは、「オンコ」(=イチイ)の原生林から羊牧場まで散策しました。

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 朝からだと、一日で二島回ってこれます。

こちらは、オロロン街道にある「旧花田屋番屋」。隣は道の駅になっています。

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